コラム①: ABA療育って?
1回目は、しばらく前に、『ABA療育とは』というテーマでまとめたものを、ちょっと手直ししました。
いくらか硬い内容かもしれませんが、ご紹介しますね。
ABA療育とは、応用行動分析学(ABA: Applied Behavior Analysis)に基づいた療育で、1980年代、米国UCLAのロバース博士(Dr. Ivan Lovaas)が、目覚ましい実践研究を報告したことで注目されるようになりました。自閉症と診断された2,3歳児のグループに、週40時間という集中的なABA療育を2年ほど続けたところ、その半数近くが特別な配慮を必要とせずに通常級に進んだという結果は、当時、とても画期的なものでした。その後、ABA療育は、多くの研究者によって検証され、今日では、とりわけ自閉症スペクトラムの最も効果的な療育方法として認められています。
1990年代の米国では、障害児者に関する法律改正に伴い、乳幼児を対象にした早期介入の制度化が飛躍的に進みました。それぞれの州に独自の仕組みや決まりがあるために、州によって早期介入の制度は多少異なりますが、例えば、私が2002年から5年ほど滞在したニューヨーク州では、早期介入のサービスが手厚く、自閉症スペクトラムと診断された乳幼児には、週数時間から30時間のABA療育が公費で提供されていました。
ABA療育は家庭訪問型が主流で、心理士、ソーシャル ワーカー、教員等の免許をもち、かつABAセラピストとして研修を受けた者が、お子さんの家庭で集中的な療育を実施しますが、私はABAセラピストのスーパーバイザーとして、毎日お子さんのご家庭に伺い、療育の進行具合やプログラムの確認などを行っていました。
一般的に、スーパーバイザーは、BCBA(Board Certified Behavior Analyst)という米国の行動分析士認定協会(BACB®: Behavior Analyst Certification Board®)による認定資格を持ち、療育の指導や監督にあたります。ちなみに、私が2004年に資格を取得した頃は、まだまだ珍しい資格でしたが、今では当時の数倍ものBCBAが世界中で活躍し、近々日本でも資格取得が可能となるようです。
ご興味のある方はwww.bacb.comをご参照ください。[橘川]