ABA(応用行動分析)は、B. F. スキナーの行動主義に基づいた行動の科学です。行動の理論に基づいて、好ましい行動は強化し(増やし)、また反対に、好ましくない行動は消去して(減らして)いきます。
ABAは、単に発達障害や自閉症スペクトラムのお子さんを対象にした療育の方法を意味するのではありません。
それこそABAの活用範囲は広く、療育や教育の場面はもちろん、医療・リハビリテーション、スポーツ、企業経営などの分野でも、さまざまな実績をあげています。
その中でABAによる療育は、自閉症スペクトラムのお子さんにとって、最も有効な方法であると実証され、特に欧米では数え切れない学術報告がなされています。
参考: 国際行動分析学会 (Association for Behavior Analysis International)
www.abainternational.org
東京ABA発達支援協会では、すでに欧米の専門機関や教育現場において、広く効果が実証されているABAによる療育を行っています。
私たちは、ABAの手法をもちいて、お子さんがもともと持っている力を少しずつ引き出しながら、お子さんが言葉でやり取りしたり、自分でなんでもしたりすることを自然に学べるように、系統的に働きかけています。
例えば、言葉がなかなか出ないお子さんであれば、発語に必要な、いわば「発語準備」の練習から始め、さまざまなプログラムを順番に習得することで、次第に言葉を発することができるように指導します。
個別の療育では、もちろん言葉だけにとどまらず、遊び、運動、身辺自立のスキルなども、繰り返し練習していきますが、習得したことが生活のいろいろな場面で般化(応用)できるように、ペアや小集団で練習を続け、社会性、協調性、自主性の力がさらに育つ訓練もします。
ABA療育は、ともすると「機械的」「応用に弱い」といった批判を受けることがありますが、個別療育ではお子さんの苦手な(弱い)ことに焦点を置いて練習し、グループ療育で応用する力を身につけるというように、お子さんが学んだことを日常的に実践できるように系統的に導いていきます。
療育の内容は、お子さんが無理せずに達成できるように目標を設定し、少しずつ難易度を高めていくことから、お子さんの学びの意欲が継続し、常に達成感を感じることができるように配慮しています。
実際、療育のプログラムは、それぞれ小さなステップに分かれていて、お子さんが習得しやすいところから始めます。ABAの療育で一番大切なのは、お子さんがセラピストと一緒にいることを楽しく感じることです。
もちろん、新しい場所や人に慣れるのに時間がかかるお子さんには、お子さんのペースに合わせて働きかけます。今までの経験では、ほとんどのお子さんが、数回のセッション(遅くとも1か月以内)でセッションに慣れ、落ち着いて療育を受ける姿勢ができているようです。
当協会では、通常、以下のような流れで療育が開始されます。